新型コロナ感染症が5類になり、日常生活、学校生活がともに流行前の状況にもどってきたかと思います。
コロナ流行中の3年間は普通の風邪や胃腸炎を含めた様々な感染症も流行がなく、小さなお子様も、小学生も熱を出し、病気にかかることが少なかったのではないでしょうか
特に今年の夏以降、生活が通常の生活に戻ったと同時に各種感染症が一気に流行しています。夏のインフルエンザに始まり、アデノウィルス感染症、溶連菌感染症、急性胃腸炎だけでなく、何度も風邪にかかる、風邪症状が改善しない、などお子様がお辛い思いをしていることが多いのではないでしょうか。30年にわたる小児科人生の中で、これ程色々な感染症が季節を問わず同時に流行していることはありませんでした。
コロナ禍の数年間の無感染の状態はお子様の免疫の構築に少なからず影響を及ぼしているように思います。
皆様、定期の予防接種は順調にお済ませでしょうか
受診を控えている間にすっかり忘れているものはありませんか
また、季節性インフルエンザのワクチンはいかがでしょうか
先ほど、色々な感染症が流行っていることをお伝えしましたが、そのような感染症の中で唯一予防対策ができるのがインフルエンザです。この数週間インフルエンザにかかった患者様を多く拝見していますが、ワクチンを接種していないお子様は熱の出初めに痙攣する方もいたり、タミフルなどを飲み解熱しても、咳が長引く方が多くいらっしゃいます。一方でワクチン接種をされた方は発熱し発症しますが、とても元気で症状が残ることなく速やかに快方に向かいます。インフルエンザワクチンはインフルエンザにかかることを完全に防ぐことはできませんが、インフルエンザに罹ったことによる症状の重症化は防ぐことが可能です。特に小さなお子様の痙攣や脳症のリスクを下げることが出来ると考えます。
この秋にインフルエンザに罹った方もワクチン接種をしていただくことをお勧めいたします。すでにA型はH3とH1が存在し当初H3が流行していましたがH3の割合も増加しこの秋に2回インフルエンザにかかる可能性が高まっています。今のところB型の報告は数例にとどまっていますが、春先には増加の可能性もあります。
ワクチンの効果発現までは2.3週間かかります。ワクチンは1月末まで接種が可能です。
ご家族の方の接種も可能ですので、重症化予防のために接種をご検討ください。