インフルエンザとは
インフルエンザウイルスへの感染を原因として、急な高熱、悪寒、全身倦怠感、頭痛など、さまざまな症状をきたす感染症です。インフルエンザウイルスにはいくつかの種類があるため、同じ年に、違う種類のインフルエンザに2回以上かかることもあります。
例年、12月~3月頃にかけて流行しますがコロナ禍以降は8月9月に地域的に流行することもあります。
インフルエンザにかかったときの症状
初期症状
- 38℃以上の発熱
- 悪寒
- 全身の倦怠感
- 頭痛
- 関節痛や筋肉痛
- 咳
- 鼻水、鼻詰まり
- のどの痛み
- 腹痛
- 嘔吐・下痢
インフルエンザにかかると、突然高熱が出て、ぐったりします。小さなお子さんは顔を真っ赤にして、フーフーする様子をよく拝見します。インフルエンザには有効な内服薬があるので比較的速やかに解熱していきます。しかし、インフルエンザのタイプによっては2峰性(一度下がりかけた熱が再び上昇すること)に熱が長引くことがありますので注意してください。
- 水分が摂れない
- 排尿量が少ない
- 呼びかけても反応が薄い
- 嘔吐・下痢の症状がおさまらない
- うわごとを言う
- けいれんを起こした
- 5日以上高熱が続く
- 何度も吐く・水分が取れない
- 息苦しい・呼吸が苦しそう
- 激しい咳・咳で眠れない
- 口唇や顔色が悪い
などの症状が現れた際は治療中でも、診察を要します。医院までご連絡ください
インフルエンザの潜伏期間と感染経路
ウイルスが体内に侵入してから発症するまでの期間は、大体1日~5日です。
また、発症後5日間は、ウイルスの排泄が続いているため、周囲への感染に注意が必要です。
インフルエンザの感染経路
- 患者の咳、くしゃみ、つば吐き出しなどにより発生した飛沫を吸い込んだ時
- 患者の粘液が、他人の目や鼻や口から直接に入った時
- ウイルスが付着した物や握手のような直接的な接触により手を通じ鼻や口からウイルスが侵入した時
インフルエンザと風邪の違いとは?
また、頭痛や腰痛、筋肉痛・関節痛、全身倦怠感が出るのも特徴的です。他にも、嘔吐・腹痛・下痢などの消化器症状が見られる場合もあります。
気管支炎や肺炎・中耳炎等の合併症を引き起こすケースもあるため、せきの悪化や発熱が持続する時は注意しましょう。
発病後1日目から「うわごとを言う」「痙攣を起こした」などの症状がみられたら、速やかに病院へ行ってください。
インフルエンザの検査・治療・対処
インフルエンザの検査方法
迅速検査キットにより診断が可能です。ただし、症状が現れてから12時間以内の場合、あるいは5日以上経過している場合には、検査の精度が低くなります。
インフルエンザの治療方法
タミフル、イナビルといった抗インフルエンザ薬を投与します。併せて、解熱剤、鎮咳薬なども適時投与します。
なお、お子さまの場合にはインフルエンザ脳症のリスクを考え、アセチルサリチル酸、ジクロフェナク(ボルタレンなど)、メフェナム酸(ポンタールなど)の投与は避ける必要があります。
抗インフルエンザ薬の治療は5日間お薬を内服します。
そのまま薬をのみきってしまう対処でも大丈夫なことも多いのですが、小さなお子様はやはり咳や鼻水の症状が長引いたり、新しい症状が経過とともに出てくることもあります。当院では改善経過の確認や継続の治療のため、インフルエンザ感染症でも、医院への再診をお勧めしています。こまめに様子を確認し、症状を長引かせないで治癒に結びつけるためです。
子どもがインフルエンザになったときの対処法
発熱の対処
38度以上ある時は、首筋や脇の下、太股のつけ根など、太い血管がある部位にタオルなどでくるんだ保冷剤を当てて冷やしましょう。冬は厚着をせず、暖房を強くしないように、夏はクーラーの風が直接当たらないようにしましょう。
※解熱剤の種類によっては副作用が強く出てしまうことがあります。38.5度以上になってすぐに解熱剤を使用するのではなく、お子さんの全身状態をみてご使用ください。
お子さまの異常行動に注意
薬の服用にかかわらず、急に走り出したり幻覚が見えたりと異常行動をとることがあります。
事故を防ぐために、少なくとも2日間はお子さまを1人にしないようにしてください。
脱水を防ぐ・水分補給
子ども(特に2歳未満の乳幼児)は体の水分必要量が多いので、脱水症を起こしやすいです。 まだ自力で水分摂取ができない年齢の子には、お母さんが注意して水分を補給してあげましょう。
半日以上おしっこが出ないときは、脱水症が疑われます。その際は医師の診察を受けましょう。
食事は、お子さまの好きなもので良いので、こまめに少しずつ与えるようにしましょう。
換気・湿度の調整
加湿器を使ったり、ぬれタオルを室内にかけたりして、湿度を50~60%に保ちましょう。